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 個別療育の進め方

 コラム 注意・記憶と観察学習


  私たちは他者の行動やその結果を観察し,様々なことを学習します。観察学習によって直接経験しない行動も学習することができます。兄弟の行動,親の行動,友達の行動,先生の行動,電車の中の他人の行動,テレビの中の人の行動など様々な人の行動を観察し,適切な行動や不適切な行動,社会のルールやマナーなどを学んでいきます。

  社会的学習理論の提唱者であるバンデューラは,観察学習が成立するには,①注意過程,②保持過程,③運動再生過程,④動機づけ過程,の4つの過程が必要であるとしています。簡単に解説すると,他者の行動や結果に注意を向け,それを記憶して摸倣し,ポジティブな結果が伴う経験をするということです。つまり,他者の行動を見る,その行動を記憶する,行動を模倣する,というスキルがなければ,観察学習が成立しないと言うことです。(どのような対象や行動に注意を向けるかなど考えないといけないことはたくさんありますが,ここでは詳細は省略します。)

  発達障害のあるこどもの療育の導入に身体摸倣を行うことがあります。療育者が頭を触って真似をさせるような課題です。「身体摸倣を課題として行う意味は何ですか?」と聞かれることがあります。1つは学習態勢の形成です。(A)指示を出されて,(B)真似をして,(C)強化される,という経験を積み,指示に反応する力をつけていきます。そして、その後の課題学習や言葉の指導にも模倣スキルはつながっていきます。舌の動きや口形の模倣、発音の模倣、単語や文章の模倣を通して、言語スキルを伸ばしていきます。

  さらに大切なことは,身体摸倣課題を行うことによって,他者に行動に注意を向ける力(注意過程),他者の行動を記憶する力(記憶過程),そして自分でも同じ動きができるようになる力(運動再生過程)を伸ばすことを目的としています。前述のように、これらのスキルは日常生活や集団活動の中で観察学習を行う基盤となります。動作摸倣の課題を単純と思われるかもしれませんが,とても重要なスキルを対象としています。

  その他,療育では注意や記憶を対象とした課題を行います。これらの力が伸び,他者の行動を観察して学習することができるようになると,直接指導していない多様な行動を日々の生活の中で学習することができるようになります。


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