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 多動や衝動性をコントロールする力を養う

 出来て当たり前と考えない


  ADHDの傾向を示すこどもは周囲が簡単にできると思う行動でつまづくことがあります。例えば,学校からのお知らせを保護者に渡さない,授業の準備ができていない,洗濯物をかごに入れない,部屋の片づけができないなど。決まった時間でゲームを終わらせたり,宿題を始めることが苦手なこどもも多いでしょう。

  これらの行動を『出来て当たり前』と考えてしまうと,「高学年になったのに何度言ってもプリントを出さない!」,「何回言っても靴下を洗濯かごに入れない!」と腹が立ってしまいます。物事を理解する力があり,コミュニケーションができ,がんばることができる場面がたくさんあるこどもが,約束した簡単なことができていないと「さぼっている」,「適当なことをしている」,「ばかにしている」と保護者や先生は感じてしまうでしょう。落胆してしまうかもしれません。

  しかし,『正しいことが分かっていてもできない』ことがADHDのある方の難しい所であることが多く,障害特性から周囲が『出来て当たり前』と思う行動を1人で自然に行うことがとても難しい可能性があります。何をするか気付かなかったり,別の刺激に注意が逸れてしまったり,気づいてもすぐに切り替えて取り組めなかったり,後回しにすることで手が付けられなくなったり,先を見通して行動できなかったり,など。

  とても簡単に感じられるような日々の行動が何度注意してもできない場合は,
『出来て当たり前』という前提を捨て,こどもにとってはとても難しい可能性がある,何かこどもができない理由がある,と考える必要があります。

  難しい課題である,と考えることができれば,周囲は対応を変えることができます。とても簡単でこの子ならできるだろうと思う行動を,難しい課題と同様に習慣化するまで丁寧に配慮して,励ましていきます。

  『帰宅後にお知らせプリントを保護者に渡す』という行動であれば,プリントの片付け方(例えば手元に届いたらすぐに決まったファイルに入れる),ランドセルに入れる場所などは工夫ができ,習慣となるまでは先生が少し声をかけて確認してあげても良いでしょう。お知らせがあるかどうか保護者が確認できるような連絡手段を考え,お知らせプリントを保護者に渡すタイミングや方法も工夫できます(帰宅後すぐにリビングの机の上の箱に入れるなど)。習慣となるまでは簡単な声掛けで促してあげたり,チェックシートなどを用いても良いと思います。できたら褒めてあげたり,認めてあげましょう。

  『出来て当たり前』と思ってしまうと「○○しよう」と約束をして,できなかったら注意をしたり,口論になったりというやりとりになることが多いです。『こどもにとってはとても難しい課題であるかもしれない』と考えると,腹が立つことも減り,スモールステップで教えてあげたり,環境を整えたりといった建設的な対応ができるようになるのではないでしょうか。これは障害特性を正しく理解するということにもつながります。



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