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勉強ノート
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 行動的支援勉強ノート 1

 コラム:環境の変化と消去について


  
前節3-7で説明した問題行動に反応しないようにするという対応方法は『消去』という手続きの1つ『計画的無視』になります(『消去』の詳細は「消去と消去バースト」参照)。消去するということはこどもが問題行動を示しても望ましい結果が得られないようにするということであり,私が保護者や関連機関で働く人たちに対して問題行動を強めないための対応として最もよくアドバイスをするのがこの『計画的無視』です。こどもの問題行動に対して過度に反応し,問題行動を強めてしまっていることが多いです。周囲が騒がしくなったり,注意したり叱責したりなど。

  こどもが問題行動を示した時こそこちらは落ち着いて冷静に対応する必要があります。こどものテンションに合わせてこちらもテンションを上げてしまってはいけません。落ち着いてその時に行っていることを淡々と行います(部屋を片づけるように言った時なら部屋を片付けさせる,課題を行っている時なら課題を行わせる)。

  こどもが問題行動を示し,それに対して叱責するぐらいなら,こどもから離れてしまった方が良いです。こどもが怪我をしないように注意し,こどもが落ち着くまで部屋を出て,落ち着いたら部屋に戻って何もなかったように接してあげてください。そうすると問題行動を示しても結果(C)として,対応してもらえない,大好きなお母さんが離れてしまう,ということを経験することができます(感覚刺激を得るための機能を持った問題行動であれば,1人にしても意味がないので注意してください)。

  計画的にこどもの行動を無視するという対応方法は,周りの目もあるので日常生活では難しい場合があります。計画的に無視しているつもりであっても,表情や素振りが少し変わったり,たまに注意を向けてしまったりと何かしらの環境の変化を与えてしまうと,そのような少しの変化をこどもはよく見ており,問題行動の維持につながります。

  問題行動を強めている対応方法で最も多いケースは,問題行動にあまり対応しないようにするが(消去しようとするが),問題行動が激しくなった時や長く続くときに対応してしまうということです。そうするとこどもはより激しい問題行動を示したり,問題行動を長く続けると要求が通る,対応してもらえるということを学習し,問題行動はどんどん強くなっていきます。保護者を含めこどもと関わる人達が,あらゆるケースを想定して本当にターゲットとなる行動を消去できるのか,最後まで消去を継続できるのかを相談してください。

  もし問題行動の強度が強かったり,こどもがしつこく要求してきたり,多くの人がこどもと関わるといった理由で,
皆が一貫して消去することができない状況であれば,消去の手続きは取らない方が良いです。先に書いたように,ある程度問題行動に対応しないようにしていながら結局対応してしまうことがあれば,その問題行動は強まり,維持されます。消去しようと試みて結局対応してしまう可能性がある場合は,こどもが要求を示してきたらすぐに要求を通してあげる方がまだ良いです。

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