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 行動的支援勉強ノート 1

 家庭での療育活動のポイント


  発達障害のあるこどもの言語スキルや生活スキルを高めるために家庭で療育を行っている保護者は多いと思います。専門家にアドバイスをもらっている方やインターネットや書籍で調べて独学で行っている方もいると思います。応用行動分析学(ABA)に限らず様々な療育プログラムが開発されていますが,本節では家庭で療育を行う際のポイントを数点挙げていきます。

  こどもの家庭療育において重要となることは,こどもが勉強を嫌いにならないようにするということです。獲得しないといけないスキルがたくさんあるため保護者は焦ると思いますが,こども達はまだまだ先が長いです。学校生活が始まると,多くの勉強時間を過ごしていくことになります。そのため早い段階で勉強が嫌いになり,苦手意識を持ってしまうと,後の勉強への取り組みが大変辛くなってしまいます。そのため,早期の家庭療育では勉強への嫌悪性を抱かせず,興味を持って楽しく課題に取り組むことが最も重要になります。以下に勉強への嫌悪性を持たせないためのポイントを数点示します。

  まず,療育は基本的に椅子に座り机上の課題を行う形式か,遊び場面などの自由な環境でコミュニケーションスキルや対人関係スキルを指導する形式があります。小学校に入り授業を受けることを考えると一定時間椅子に座り机上学習に取り組む学習態勢を整える必要があります。机上学習を導入する際,療育プログラムに従って早急に課題を始めると失敗することが多いです。まずは,一定時間椅子に座り机の上の課題に取り組む態勢作りが必要になります。こどもが楽しめる玩具を机上に用意し,椅子に座って机上の玩具で一緒に楽しく遊ぶ所から始めると良いでしょう。そして遊びと遊びの間に短時間で終わる簡単な課題を行います。課題と言ってもこちらが指示を出してそれに従う程度のことで良いです。

  例えば,「積木を積んで」「真似して」という指示を聞いて積み木を積む,「ビー玉入れて」「真似して」という指示を聞いてバケツにビー玉を入れるなど。まずはこどもがもう少し取り組みたいなと思う程度の時間,遊びを含めて5分程度でも良いです。それを1日に数回行います。そうして机上で何かに取り組むということへの嫌悪性を抱かせないように注意しながら,徐々に課題に取り組める時間を延ばしていきます。焦らずに進めることが大切です。保護者もこどもも物足りない程度で終わるところから始めましょう。楽しく遊べたり,課題に取り組めたりして一定時間椅子に座ることができていたらしっかり褒めてあげ,椅子に座って何かに取り組むことは楽しいという経験をさせ,興味を持たせるようにしてあげて下さい。

  次に,療育を行い始めの時期は,こどもが嫌がったり泣いたりしたらその時点,できれば嫌がったり泣く前に課題を終了します。また,ある絵カードなどの課題をこどもが嫌がったら,その課題を無理に行わず別の課題を行いましょう。学習態勢がついた後であれば,『課題からの逃避』を目的とした課題を拒否する行動には対応せずに課題を進めることがありますが,療育の初期の段階は課題への嫌悪性を抱かせないことが最重要になるため,嫌がる課題を無理に行わせるべきではありません。できるだけこどもが興味を持つ課題を用いて療育を進めていきます。

  マニュアルを勉強して療育を行っているとマニュアル通りに進めないといけないと思い,こどもが1つの課題を嫌がっても頑張って習得させようと頑張ることがありますが,1つの課題に時間をかけ過ぎても時間がもったいないです。それなら,取り組みの良い課題を数多く行う方が習得できることが増えるでしょう。

  最後に,新しい課題を導入する時はその課題だけを行うのではなく,すでにできるようになった得意な課題と合わせて行うようにします。こどもは課題ができなかったり意味が分からなかったりするとストレスを感じ,そのような課題が繰り返されると嫌気がさし,やる気を無くしてしまいます(失敗体験)。逆に課題に正答したり,作業をやり遂げたりすると達成感を感じ取り組みも良くなります(成功体験)。そのため,新しく導入する課題は,すでに習得している課題の間に挿んで少量から取りかかり,あまりストレスを感じさせないように注意してください。また,身体模倣だけとか,絵カードだけといった同じタイプの課題だけを行わず,様々なタイプの課題を行うようにし,課題に多様性を持たせることもこどもの集中力を維持することに役立ちます。

  以上の様に,療育の導入時のポイントは
こどもも保護者も楽しく取り組むということです。療育を行う大人が楽しくなければ,その療育を受けるこどもも楽しくありません。できるだけ楽しい雰囲気でこどもがリラックスして,興味を持って課題に取り組めるように工夫して進めていきましょう。

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