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 行動的支援勉強ノート 1

 柔軟性,変化への耐性を養う


  発達障害,特に自閉症の特徴の1つに,環境の変化への弱さがあります。こだわり行動とも関係しますが,物の位置,日課,活動内容,対応してくれる人が変わると,混乱してしまうというものです。支援方法として,こどもの混乱を少なくするため,あまり変化の無い生活場面や日課を組み立てる,視覚的なスケジュールで予定を示し見通しを持たせると良いなど提案されることがあります。このような支援方法は間違いではなく,発達障害のあるこどもがストレスを極力感じないように生活できる環境を整えるという考え方に基づいています。

  しかし,学校生活や将来の社会生活への適応を考えたとき,その考え方だけでは不十分です。なぜなら,日常生活における変化を極力無くすことによって,さらに変化に弱くなり,より生活の変化を無くさないといけなくなるといった悪循環に陥ることがあるからです。変化への耐性が弱くなると,変化を過度に嫌がり,すぐにパニックを起こしたり,新しい活動に取り組むことができなかったりして活動の幅を広げることが困難になります。また,学校生活や社会生活は変化に溢れており,変化に対応できなければ適応することは難しいでしょう。変化への耐性,柔軟性というものは日々の生活の中で養うことができます。以下に,柔軟性を養うための支援のポイントを示します。

  まず,最も基本的な考え方は,
変化に慣れるということです。これは全く生活環境を整え無いということではなく,こどもが混乱しすぎない程度に日々の生活に変化を加え,徐々に自然な環境に近づけていくということです。例えば,スケジュールで日課を示している場合でも,日々のスケジュールを少しずつ変更したり,午後のスケジュールを直前に変更したりして変化に慣れさせていきます。また,いつもは母親と買い物に行くけれど休日は父親と買い物に行く,食事や療育をする場所を少し変える,部屋のレイアウトを少し変更する,玩具や公園のレパートリーを増やすなど,いきなり大きな変化ではなく,スモールステップで生活場面や活動に変化を加えていきます。最終的に特別に環境を整える必要性を無くし,できるだけ自然な環境で生活できるようになることが目標だということを忘れないようにして下さい(同じスケジュールを何週間,何カ月も提示するべきではありません)。

  このような変化を与えるとこどもはストレスを感じますが,少しずつ変化に慣れていき,環境の変化とそれに伴うストレスへの耐性が養われます。この考え方は,偏食や音の過敏性などにも適用できます。こどもにストレスはかかりますが,少しずつ食事の種類を増やしたり,少しずつ騒音に慣れさせたりすることで,柔軟性が養われ偏食や音の過敏性は軽減されていきます。

  繰り返しになりますが,いきなり大きな変化を与えるのではなく,こどもが混乱しすぎず,ほんの少し我慢したら乗り越えていけるような変化を日々の生活に計画的に加えていきます。少しの変化をこどもが全く気にしなくなったら,さらに違う部分を少し変化させ,徐々に柔軟性を養っていくことで,自然な環境への適応につながっていきます。

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