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 日々の生活の中での教育的な関わり

 
言葉の指導を進めるときの家庭での関わり

  言葉の指導が始まると療育場面で様々な言葉スキルを学んでいきます。しかし,療育場面は時間が限られているので,ご家庭では療育で身につけた言葉スキルや学んでいる段階のスキルをどんどん使う機会を作っていきます。

  『お茶が欲しい』ということを要求する場面を例とします。まずはお茶が自分の力では手に入らない環境を作ります。そして,その時指導している要求スキルを用いて要求することができたらお茶をあげます。例えばクレーン行動から写真を用いた要求に移行している場合は,クレーン行動で要求してきてもお茶を与えず,お茶の写真を手渡すことができたらお茶をあげます(分化強化)。こどもが壁に貼り付けた写真を取ってくることができなければ,2-3枚の写真を目の前に提示し,お茶の写真を選択させてから,お茶をあげます。

  要求が必要な場面を作り,その時指導している要求スキルで人に要求し,要求が通るという機会を日常生活で多く設けます。食べ物や飲み物が欲しいときの要求,玩具が欲しいときの要求,開けて欲しいときの要求,外に出たいときの要求,遊んで欲しいときの要求,DVDを見たいときの要求など,日常の様々な場面が要求スキルを学習させる機会となります。

  まずは1日5回要求させる,次は1日10回要求させる,というように要求させる機会を計画的に増やし,現在指導している要求スキルを日常場面でできるだけ多く用いるようにします。その都度こどもが要求するのを待ったり,プロンプトを出したりするのは時間がかかり,保護者が先回りして動いてあげるほうが早いし楽だと思います。しかし,要求スキルを指導している段階では,忙しくても少し我慢して,こどもが要求してくるのを待ち,上手く要求できるように手助けをしてあげてください。療育場面で獲得したことも,日常生活で使えなければ意味が無いし,繰り返し実行して強化されなければ定着しません。

  うまくこどもが要求できなくても怒ったり,イライラしてはいけません。こどもに教えている段階なので,うまくできなくても当然です。要求場面が嫌悪的なものになってしまうと,積極的に要求しなくなるかもしれません。日常生活の関わりの中で支援する場合は,療育場面よりも早めにプロンプトを出し,上手く要求できるようにして成功させてあげて下さい。療育場面よりも日常生活の方が時間が長く刺激も多いので,焦らず穏やかな雰囲気で対応してあげると良いです。徐々にプロンプトを弱くしていきましょう。

  可能であれば,園や学校と情報を共有し,様々な場面で学んでいるスキルを使う場面を作ってもらい,その時指導している要求スキルでこどもに要求させてもらいます。こどもが要求する場面を多様にして回数を増やし,現在指導している要求スキルが強化される機会を増やすことが大切です。日常生活の中で援助されることなく,こどもがより社会的な行動で自発的に要求することにつながります。


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