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 個別療育の進め方

 
家庭療育の難しさ 1

  日本では特別なニーズのあるこども達が,必要な専門的療育を受けることがまだまだ難しいです。そのため,保護者がご家庭で療育を行う必要性に迫られたり,取り組むように勧められたりすることがあります。

  1つの理想的な形は,『専門的な療育は専門家が行い,保護者は基本的な行動理論を理解して,療育で身に付けたスキルを日常生活に拡げたり問題行動を強めないように関わり,基本的には家庭では楽しく過ごす』というものだと私は考えます。こどもは日常生活の保護者との関わりを通して様々なことを学ぶため,保護者が障害や対応の仕方に関する正しい知識を身に付け,こどもの成長を促すことは大切です。しかし,専門的な個別療育まで保護者が中心に行うのは大きな負担となり,大変難しいことです。

  保護者が家庭療育を行い上手くいく場合もたくさんあります。こどもができることが増え,保護者も自己効力感が高まり良い雰囲気でこどもの成長を促すことができているご家庭をたくさん知っています。しかし,上手くいかない場合もあります。

  保護者が家庭療育を行うということは,専門家が決まった時間だけ療育を行うよりも非常に難しいことです。これは,知識や技術の違いだけではなく,専門家は(遊びも含めて)療育をするだけの存在なので,こどもは気持ちを切り替えやすいためです。専門家は勉強をする人,勉強をする時間という分かりやすい刺激になります(刺激性制御)。そのため,専門家が限られた時間療育を行う場合,こどもが落ち着いて取り組みやすくて当然です。

  保護者は1日中こどもと過ごし,生活を共にするため,「今から30分お勉強をします」と言っても,中々こどもは気持ちを切り替えることが難しいです。日常生活では時間に追われてきっちりした対応ができなかったり,こどものわがままを聞いてあげたりすることがあります。また,こどもなので注意引きの行動であってもしっかり甘えさせてあげることもあります。これらは当然であり,必要なことでもあります。

  しかし療育場面は基本的にきっちりした対応を行わなければ逸れてしまうことが多いです。できるだけ楽しく療育を進めても,やはり苦手な課題に頑張って取り組まないといけないことがあり,頑張らないといけないことがあるからです。そのため,療育場面を日常から切り離して,こどもが気持ちを切り替えて集中して取り組むというのは難しいことです。

  同様に,保護者も療育場面で気持ちを切り替えることは難しいと思います。専門家に「こどもが失敗したり逸脱行動を示しても怒ったらダメですよ」と言われても,腹が立って怒ってしまうこともあるでしょう。落ち込むこともあると思います。日々の生活に追われたり,ストレスがたまっていたりして,気持ちを落ち着かせて療育に取り掛かれない日もあるでしょう。

  日常生活の中で保護者が特別な療育を行うことはとても大変ですが,日本に現状では保護者が頑張られているご家庭は多いと思います。専門家はその難しさを理解してアドバイスやコンサルテーションを行う必要があります。ご家族のことをよく理解し,自分たちが療育を行うよりも難しいことであるという前提を忘れてはいけません。保護者は焦る気持ちはあると思いますが,学習態勢が十分形成されるまでは無理のない形で療育を進めて,お勉強に対する嫌悪感を抱かせないようにすることが大切だと考えていただきたいです。お勉強という形でなくても,遊びや日常生活で伸びていくスキルはたくさんあります。


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