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 個別療育の進め方

 
課題の量と難易度を工夫する

  こどもが前向きに療育に取り組み,楽しく効果的に療育を進めるためには,各課題で提示する量と難易度の工夫が大切になります。

  基本的な療育の進め方をA-B-Cの三項随伴性で考えると,『課題が提示される(A)-課題を実施する(B)-ポジティブな結果が得られる:達成感を感じる・褒められる(C)』となります。繰り返しこの随伴性を経験し成功体験を積み重ねることにより,こどもの取り組みは良くなり,楽しく療育を進めることができます。

  その際,『提示された課題は行う』ということが基本となります。こちらが提示した課題は必ず最後まで行うということです。できなかったり,ふざけたりして途中で課題を終了する,失敗経験で終わるということは基本的には避けなければなりません。逸脱行動を強めるような経験を避けるということです。

  こどもが課題を嫌がっても無理やり取り組ませるということではありません。計画的にこどもが嫌がっても頑張ってもらうことはありますが,それだけではこどもが疲れてしまい,嫌悪感を強めてしまいます。お勉強が楽しくないものになってしまい,どんどん取り組みが悪くなってしまう可能性があります。

  『提示された課題は行う』ということを基本と考える場合,こちらが提示する課題の量と難易度を臨機応変に工夫する必要があります。その時のこどもが取り組むことができる量と難易度,その時のこどもががんばることができる程度の量と難易度を考えて提示し,提示した課題は最後まで取り組んでもらい,成功して終わるということです。これは療育を上手に進めるために最も大切なことの1つです。

  療育を始める前に,当日の課題の計画を立てると思います。しかし,こどもはまだ小さいのでがんばることができる量や集中力には波があります。寝不足だったり,寝起きだったり,お腹がすいていたり,外が暑かったり,機嫌が悪かったり,疲れていたり,ストレスが溜まっていたり。季節や園の行事によっても波があります。体力や注意力にも影響を受けます。

  前回の療育の内容や当日苦手な課題を行って(例えば勝ち負けが苦手なこどもに負けることを経験するゲームを行って少し崩れた後など),元気がなかったり機嫌が悪かったりすることもあります。

  そのような場合は楽しい内容の課題や得意な課題を行ったり,課題量を少なくして提示するといった工夫が必要です。プロンプトを速めに提示したりする工夫もできます。調子の悪いときは10問する予定だったけれど6問にして速めに手助けをしてあげたり,調子の良いときは手助けを少なくしてがんばって考える時間を多くとるなど。こどもの状態を把握し,素早く自然な形で調整します。

  自分の機嫌が悪いから課題が少なくなったり,内容が易しくなったり,手助けされたとこどもに思われてはいけません。機嫌を損ねたり怒ったら苦手な課題を避けることができるという経験になってしまうためです。そうではなく,こどもの様子を見て,療育者が主導的に,その時のこどもががんばることができる課題を自然な形で提示するということです。上の例でいうと,10問提示してこどもの取り組みが悪いから6問に減らすということではなく,こどもの様子を見てがんばることができる量を判断し,最初から6問を提示してがんばってもらう,ということです。

  また,簡単で無理なくできる課題ばかり行っていてもスキルアップに時間がかかってしまいます。その時のこどもが頑張ることができる課題を見極めて,適切な課題を提示しなければいけません。

  その時のこどもの状態に適した課題量と難易度で課題を提示し,こどもにはがんばって取り組んでもらい成功体験をどんどん積んでいきましょう。その時のこどもが少し頑張ったらできる内容の課題を提示していくことでこどもはできることが増えていき,学習態勢は伸びてきます。

  このようにこどもの表情や態度や言動から今のこどもの状態を把握し,その時のこどもに適した課題の量と難易度を提示することが,こどもの力を高め,療育を楽しく進めていくために最も大切なことの1つになります。


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