みどりトータルヘルス研究所
  
こども行動療育教室
カウンセリングルームこども行動療育教室職場のメンタルヘルス
ご予約・お問い合わせは TEL.06-6203-2410
〒541-0041大阪市中央区北浜3丁目5-19
淀屋橋ホワイトビル5F
はじめに 行動療育とは 講師派遣 スーパーバイズ 関連機関の
コンサルタント
スタッフ





  行動的支援勉強ノート Top

 応用行動分析学を勉強しよう

 応用行動分析学(ABA)
 とは?


 応用行動分析学(ABA)を
 学ぶメリット


 三項随伴性と
 機能的アセスメント


  強化,弱化(罰)

 強化子を見つける大切
 さとプレマックの原理


  「褒める」ということ

 うまく行動を強化する
 ためには


 トークンエコノミーと
 レスポンスコスト


 プロンプト・フェイディング

 プロンプトを用いる
 基本的な支援方法


 行動の習慣化と自発

 消去と消去バースト 1

 消去と消去バースト 2

 「泣く」ということ 1

 「泣く」ということ 2

 消去を行う時に
 大切なこと1


 消去を行う時に
 大切なこと2


 分化強化 1 

 分化強化 2 


 <参考図書,おすすめ図書>


 みどりトータルヘルス研究所
 カウンセリングルーム


       
 応用行動分析学勉強ノート

 
コラム 消去を行うときに大切なこと 2

 『コラム 消去を行うときに大切なこと1』で書かれた内容に説明を加えます。

 例えば,こどもに何かをさせようとすると嫌がって問題行動を示す場合を考えてみます。自分で服を着せようとすると嫌がる,靴を履かせようとすると嫌がる,歯を磨かそうとすると嫌がる,などの場面でこどもが嫌がり,泣いたり,物を投げたり,暴言を吐いたり,叩いたりするといった問題行動を示すとします。問題行動を消去するということを考えると,泣いても物を投げても叩いてきても無視して着替えさせるという対応が中心になります。

 このような消去を行う場合に考えないといけないことがあります。

 1つは,こどもは望ましい行動やスキルを
無理なく行うことができるまで習得できているのかということです。服の着替えや靴の履き方が1人で無理なく簡単に行うことができないなら,そのスキルはまだ練習しなければいけない段階であり,1人で行うのを嫌がっても当然です。励ましてあげたり,たまに手伝ってあげたりして,一緒に行ってあげる必要があります。(『正確性と流暢性について』参考)

 こどもができるようになったことでも,がんばったり集中しないとできない程度の習得段階では,最初から最後までいつも1人で行うには無理があるかもしれません。調子が良い時は1人でできるけれど,寝起きだったり,機嫌が悪かったり,疲れていたりするとできないということが考えられます。

 そのような段階ではこどもが問題行動を示したときに消去して1人で行わせるといった対応をとるよりも,上手くできたら褒めてあげて強化し,難しそうなら2回に1回は手伝ってあげる,といった対応の方が良いです。問題行動の消去を考える前に,適切な行動が無理なくできるまで習得するための教育的な支援を考えなければいけません。

 2つ目に考えないといけないことは,問題行動を消去する場合,
問題行動を経験させてしまっているということです。これは,問題行動が起こるから消去するので当たり前のことですが,例えば「服を着なさい」と言ってもこどもがぐずってすぐに服を着ない場面を考えてみます。その時にぐずる行動を無視して,「服を着なさい」と5分ほど繰り返し言って,やっとこどもが服を着たとします。これはこどものぐずる行動を消去したと考えられるかもしれませんが,見方を変えると,5分間,問題行動を行わせたというデメリットがあります。『無くしたい行動は起こさせない』ということが基本であり,無くしたい行動が起こってしまうと,それが強まり維持される可能性があります。こどもの粘り勝ちで,結局こちらが折れてしまったりすることがあれば,非常に良くないです。

 このような場合は,『問題行動を消去しなければ!』とこちらが固執せず,こどもがぐずる素振りを見せる前に,パッと服を着させてあげた方が良い場合があります。嫌がるところを無理やり着させるのではなく,「はいはい着ようねー」などといって,こどもが知らないうちに服を着ていたという具合に,自然なプロンプトで誘導して身体を持ってパパパッと服を着させます。また,ジャンパーを着るのを嫌がるこどもなら,「じゃあもう着なくていいですよー」と言って,そのまま外出するというのも1つのアプローチです。別に怒って言う必要は無く,ぐずる行動,問題行動を起こさせる位なら最初から要求しないということです。

  3つ目は,問題行動をしっかり消去しようとすると,保護者にもこどもにも
ストレスがかかるということです。療育場面などの限られた時間では,しっかり消去しますが,ご家族は24時間こどもに対応し,家事なども行わなければいけません。そのような状況で,こどもが示す問題行動を全てきっちり消去するのは非常に労力がかかり,疲れます。問題行動をそのままにしておいて良いというわけではなく,特定の無くしたい行動に絞って消去し,その他の場面では,上記のように問題行動が起こらないような対応をしてあげて良いと思います。

 2つ目,3つ目で解説したように,
こどもが示す問題行動に真正面から全て対応する必要はないと思います。問題行動が起こりにくいように援助して正しい行動を行わせ,問題行動への対処はとりあえず後回しにするということも1つの方法です。そして療育などを通して,こどもの様々なスキル(状況を理解する力,がんばる力など)が伸びてくると,2ヶ月後に同じ場面で「服を着なさいよー」と言ったらすぐに着替えることができるようになっている可能性があります。

 以上,消去について色々解説しました。こどもが問題行動を示したら,その機能を予測し,消去するということは非常に大切なことです。この視点が無ければ,こどものためを思っての対応であっても,問題行動を強めてしまう可能性があります。しかし,問題行動への対処方法は消去だけではなく,ただ消去したら良いという訳ではありません。その他にも教育的な視点など考えないといけないことがあり,問題行動への対処を後回しにした方が良い場合もあります。



copyright©2013 みどりトータルヘルス研究所 all rights reserved.