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 個別療育の進め方

 
こだわりを弱める

  行動療育では様々なスキルの獲得と向上を目指しますが,もう1つの特に大切なことは『こだわり』を弱め,無くしていくことです。こだわりは,できることが増えて様々なスキルが伸びてくると弱くなることが多いので,行動や活動のレパートリーを増やすという教育的支援を前提とし,こだわりを弱める対応も考えていきます。

  こだわりは変化の多い日常生活や集団生活において大きな支障となります。少しの変化で崩れていては,周りに合わせて行動することができません。「変化のない環境を作り,落ち着いて生活できるようにしましょう」,とアドバイスされることがありますが,それではいつまでたっても変化に対応する力が付かない可能性があります(柔軟性,変化への耐性を養う切り替えの弱さへの支援,参照)。

  発達障害のあるこどもは,療育中にも様々なことにこだわることがあります。課題の手順や刺激を置く位置,周りにあるものや質問のされ方,答え方,など。こだわりが強いとそれらが少しいつもと違うと機嫌が悪くなったり怒ったりすることがあります。

  行動や活動のレパートリーが増えてくるとこだわりは減少します。そのため長い目で見て『できることを増やす』といことがこだわりへの対応を考える時に最も大切なことになります。『できることを増やす』という教育的な取り組みを中心としながら,療育や日常生活で『こどもが混乱しすぎない程度にこだわりを崩していく』ことになります。

  混乱しすぎない程度に,という点は少し工夫が必要です。いきなり,全てのこだわりを崩そうとして,いつもと全然違う様に療育をすすめると,こどもは混乱しすぎて療育が進まないでしょう。最初は,こどもが変化を気にしても「先生が決めます」,「別に良いです」などと言うことで,渋々でも納得して課題が進められる程度から崩していくと良いです。少し慣れてきたら,こどもが少し崩れてもすぐに立ち直って課題に取り組める程度はがんばってもらって良いと思います。こどもが長時間泣き続ける程がんばらせると時間がもったいないです。

  例えば,課題の順序にこだわるこどもならば課題の順番をいつもと少し変える,正答したら○をつけてもらうことにこだわるこどもなら☆マークにする,失敗することを過度に嫌がるこどもならば,たまに「ぶー」と言って×をつける,など,少しずつこだわりを崩していきます。「気持ち悪いゲーム!」などと名前を付けて,こどもがこだわりが崩れて気持ち悪い状況を作って,ゲーム感覚で楽しんで取り組むなどもおすすめです。

  最初は変化に抵抗を示すこどもでも,少々の変化は我慢して課題に取り組む行動が強化される(達成感を感じる,褒められる)経験を積むことで,少々の変化は気にならなくなってきます。そして,徐々に変化を大きくして,課題の実施者に合わせる,つまり,環境に合わせる力を養っていきます。

  こどもがどの程度なら我慢して切り替えることができるかを注意深く観察し,無理をしすぎない程度にこだわりは崩していきましょう。


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