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 日々の生活の中での教育的な関わり

 
こどもとの良好な関係を築く

  特定の場面での問題行動への対応の仕方について相談を受けることがありますが,こどもたちは場面場面を切り離して生活しているわけでは無いので,特定の場面でだけこちらの言うことを聞かそうとしても上手くいきません。普段のこどもとの関係性が崩れていれば(例えば,全くいうことを聞かないなど),『食事の時の問題行動を消去しようとしたけれどうまくいかない』ということになっても当然です。

  また,療育や集団活動の場面でこどもが上手くできたときにだけ,取って付けたように褒めてあげても,あまり喜ばないかもしれません。つまり,褒めることが強化子として働いていないということです。

  応用行動分析学(ABA)では行動を強化して正しい行動を増やしたり,消去して不適切な行動を減らしたりしていきますが,こどもとの良好な関係が築けていないのに特定の場面でだけきっちり対応して行動をコントロールしようとしても上手くいきません。

  ABAに基づいた療育や日々の対応をうまく行うためには,こどもとの良好な関係を築くことが前提となります(ABAに基づいた適切な対応を日々行うことにより良好な関係が築けます)。ここでいう良好な関係とは,1:保護者の言うことは聞く,2:保護者と関わることや褒められることが好きで嬉しい,といった関係性です。

  1点目の保護者の言うことは聞くという関係は,『指示の出し方,制止の仕方』などで繰り返し解説してきましたが,保護者が言ったことは曲げず,こどもが保護者の指示に従う経験を積むことで形成されます。A-B-Cの三項随伴性で言うと,『(A)簡単な指示-(B)こどもが指示を聞いて動く-(C)保護者に褒めてもらえる』,という随伴性を繰り返し経験していきます。例えば,簡単なお片付けの場面などで保護者の言うことを聞くことができないこどもが,強い問題行動を起こしているときに保護者の言うことを聞くことはできないでしょう。まずは,簡単な場面から指示に従う行動を強化し,保護者の言うことは聞くのが当たり前という関係を築いていきましょう。問題行動への対応はその後です。

  2点目の保護者に褒められたら嬉しいという関係は,『「褒める」ということについて』でも解説しましたが,そういった関係が築けていなければ,言葉で褒めてあげてもあまり意味がありません。一緒に楽しく遊んだり,日々の温かい対応を通して,こどもにとってポジティブな存在とならなければいけません。そして,こどもの良い面に注目する視点が大切です。日常様々な場面で,こどもが頑張ったときや賢く過ごしているとき,普通に過ごしているときに,積極的に頻繁に褒めてあげます。大げさに高い高いなどをして満面の笑顔で褒めてあげたり,ニコッと微笑んで声をかけてあげるなど。こどもはあまりピンと来ないかもしれませんが,繰り返していると,だんだん保護者に褒められることが嬉しくなってきます。そのような関係が築けると,こどもが頑張ったときや適切な行動をしたときに褒めてあげて,不適切な行動をしたら関わらないという対応が意味を持ってきます。

  このように,特定の場面を切り離してABA的に対応するということではなく,日々の生活でABAに基づいた対応を通してこどもと良好な関係を築くことで,困ったときにも保護者が上手く対応することができるようになります。


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