みどりトータルヘルス研究所
  
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はじめに 行動療育とは 講師派遣 スーパーバイズ 関連機関の
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 行動的支援勉強ノート
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 勉強ノート2 はじめに

 行動は変わるということ

 
障害特性と教育について

 叱責することのデメリット

 
教育的支援の基本

 行動の見方と教育的支援

 注意力・集中力の問題

 習い事について

 物理的な環境調整や
 スケジュールについて


 刺激や活動を制限すること
 について


 何が誰にとって問題行動
 なのか?


 集団適応を阻害しやすい
 問題行動


 相手によって行動が変わる
 ことは悪いこと?


 進学,学校選びについて

 専門家の「少し様子を見ま
 しょう」というコメント


 専門家の「愛情不足」という
 コメント


 恐怖感や過敏な反応への対応

 自己刺激行動や過敏な
 反応について:疲れやスト
 レスとの関係


 切り替えの弱さへの支援

 渋々でも納得する力

 思いやりや人に親切にする
 行動について


 子育ての正解,不正解

 障害の受容について

 行動理論を理解してもらう

 行動的支援勉強ノートとABA
 にもとづいた支援について



<参考図書,おすすめ図書>


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 行動的支援勉強ノート2 

 
行動的支援勉強ノートとABAに基づいた支援について

  行動的支援勉強ノートでは,知的障害や発達障害のある人の社会適応に向けた応用行動分析学(ABA)にもとづく考え方や支援方法を解説していますが,一度全体の整理をしたいと思います。

  ABAは行動の説明,予測と制御を目的とした学問領域であり,多様な人々が示す多様な行動が対象となります。

  知的障害や発達障害の有無にかかわらず,同じ行動の理論が当てはまります。行動的支援勉強ノートでは,軽度の知的障害のある人を対象としていたり,最重度の知的障害のある人を対象としていたりします。また,保護者に向けた情報であったり,教師,生活支援に関わる人,療育の専門家に向けた情報であったりします。そのため,少し読みにくく感じる方がいるかもしれませんが,行動の理論を理解していただくことが目的であるため,特に区別せずに解説しました。

  また,ABAにもとづいた支援は,どのような行動を標的とするか決まっている訳ではありません。例えば,自閉症があるなら身体模倣から指導していこうなどとは決まっていません。何を目標として何をどのように指導していくかは,臨床家の経験や考え方,保護者や本人の想い,過去の研究や開発されてきたプログラムなどによります。

  そのため,一番最初の『行動科学を勉強しよう』記載したように,行動的支援勉強ノートの内容は過去の研究の積み重ねから得られた知見と私の臨床経験にもとづいています。ABAの専門家にも,勉強ノートに書かれている内容は間違っていると言われる方がいるかもしれませんが,臨床経験や受けてきた教育が異なるため,そう思われる方がいても当然だと思います。

  療育をどのような計画で行ったり,保護者にどのようなアドバイスをするかは,可能性の問題になると思います。無責任に聞こえるかも知れませんが,こどもが伸びる可能性が高いと思う療育やアドバイスを行いますが,もしかしたら別の方法を用いた方がこどもが成長する可能性があります。私は保護者が週に数十時間も療育を行う事には全面的に賛成ではありませんが,場合によってはそうした方がこどもが成長し,ご家族のQOLが向上するかもしれません。

  ABAに基づいた支援は1つの確立したモデルやプログラムがある訳ではないので,専門家は自分の知識や経験から標的行動を選定し,最も有効と思われる支援やアドバイスを行っているということです。見方を変えると,この柔軟性がABAの特徴の1つでもあると思います。

  行動的支援勉強ノートで解説した内容の大半は,ABAの三項随伴性と強化,観察学習にもとづいています。理論はシンプルな方が良いとされていますが,このようなシンプルな理論で,勉強ノートで解説しているような多様な事柄を捉え,良い方向に進むような方法を考えています。このことからも応用行動分析学(ABA)の柔軟性と広がりを感じて頂けると思います。

  『行動的支援勉強ノート1.2』では私の臨床経験から,日本の障害のあるこどもの支援において,特に改善が必要であり,情報を提供しないといけないと感じたことを強調して書きました。私の支援の方針は勉強ノートに書いた内容になりますが,専門家が実際に療育を行ったり,保護者へのアドバイスを行う際は,こどもや保護者を見て,柔軟に考えていかなければいけません。こどもの興味の対象や反応の仕方,保護者の知識やモチベーション,生活スタイル,ご家族や親戚との関係なども考慮していきます。

  例えば,行動的支援勉強ノートではこだわりは積極的に崩した方が良いと解説しましたが,こどもの行動レパートリーがあまりに限定されていたり,もう少しできることが増えてきたら自然とこだわりが崩れそうだったりすると,特に崩す必要はないとアドバイスすることがあります。また,保護者がこどもに柔軟に対応することが難しく,こだわりを崩す対応がこどもと保護者の負担になりすぎると感じたら,とりあえずこだわりは対象とせず,他の行動レパートリーの拡大を対象としていきます。

  問題行動の「消去」の手続きも,保護者が意味を理解し生活の中で徹底することが難しいようであれば,「消去」の手続きを実施する前にA-B-Cの三項随伴性の考え方を会話の中で理解していただくといった土台作りや生活環境の中で無理なく実施可能な方法を計画することが大切だと思います。

  それぞれの生活環境で,できることをできる範囲でできる限り行っていくしかないと考えているので,それぞれの家庭や教育環境で無理のない形で行動的な支援を行っていって欲しいです。こどもは先が長いので,焦らず無理をせずということが大切だと考えています(これも可能性の話で,無理をしてがんばった方が色々良い結果が得られる可能性もあります...)。

  簡単なまとめとして色々書きましたが,ABAにもとづいた支援には特定の最も効果のある確立したプログラムはないということです。ABAの特徴はA-B-Cの三項随伴性を用いて行動を捉え,柔軟に支援を行う事なので,専門家がそれぞれの臨床経験や知識から最善と考える計画を立てて支援やアドバイスを行っています。
  そのため行動的支援勉強ノートを読まれた方も,これが正解とは考えず,行動的支援に興味をもたれたら,ABAに関する色々な書籍を読み,可能であれば専門家の話を聞いてみてください。

  ABAに興味を持たれた保護者や他の職種の方々は,何か特定のプログラムや指導方法を学ぶよりも,A-B-Cの三項随伴性で行動を捉える視点を養うことが大切です。こどもは様々な行動を示しますが,良い行動も悪い行動もどのような随伴性で維持されているのか,どのような状況で行動が生じて,どのような結果を得ているのか,常に三項随伴性の枠組みで行動を捉えるように意識し練習してみてください。そうすると自然と客観的にこどもの行動を理解し,適切なかかわり方ができるようになると思います。



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