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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 
ルールを決めて,守るということ 3 めんどくさいという気持ち

  中学生や高校生になり,やらないといけないことに中々手を付けないという問題では,これと言った理由はなく,漠然と『めんどくさい』ということを理由とすることがあります。部屋の片づけ、整理整頓、入浴、歯磨き、お手伝い、予習復習、宿題、など。保護者は「はやくやりなさい」と注意することに労力がかかり,こどもも反抗を示し,関係が悪くなってしまいます。

  何かに取り組む時の『めんどくさい』という気持ちを考えてみます。何か取り組まないといけないことがある時に『めんどくさい』と感じて結局取り組まなかったり後回しにしてしまうと,『めんどくさい』気持ちが強くなり更に課題に手を付けにくくなります。しかし,『めんどくさい』と感じてもやらないといけないことはする,という経験を重ねると,『めんどくさい』という気持ちは小さくなっていきます。

  成長してから困らないように小さい時から、こどもがめんどくさがったり、何か理由をつけても、やらないといけないことはする、という経験を積む必要があります。ここでは家庭学習に焦点を当てて解説していきます。小さい時から家庭学習を定着させるためには,家庭学習のルールを決め,日々ルール通りに学習するという経験を重ねる必要があります。例えば,算数のドリル5頁と国語のドリル5頁を行う,夕食前に宿題を終わらせる,帰宅後30分は勉強をする,など。

  基本的には,こどもが何か理由をつけたり,抵抗したり,仮に暴れて物を壊したとしても,必ず決めたことはルール通りに実行させる,ということです。しかし現実的には、こどもが暴れるくらい抵抗が強いようであればルールを変更する必要があります。なぜなら,抵抗を示すこどもに対応するのは労力を要するし,ルールや決まり事を設けられることに対する嫌悪性が強くなってしまう可能性が高いからです。

  ルールを決めて守っていくことを実行するとき崩してはいけないことは,提示したルールは必ず守る,ということです。しかし,こどもの様子を見てルールの内容(課題量や困難さ,実行するタイミングやルールを守った際の結果など)は調整することができます。

  まずは保護者が物足りないと思ってもこどもが簡単にできる程度のルールを設定します。そしてルールを守り保護者に褒めてもらえる経験を積んでいきます。ルールは保護者が決めてもこどもと話しながら決めても良いですが,こどもが納得する内容にしてください。そして,こどもの様子を見て,徐々にルールの課題内容を難しくしたり,課題量を増やしていきます。2週間に1回はルール変更に関する話し合いの機会を持つと最初から決めておいても良いです。

  その際,こどもの負担が大きくストレスを感じている様であれば,ルールを調整し課題量を減らしてあげます。できれば課題量を減らすということはしない方が良いので,こどもが無理の無い程度に徐々に課題量を増やしてあげると良いです。こどものストレスが強く,逸脱行動を示すようであれば調整してあげて下さい。

  大きな課題を設定し結局できなければ,ルールを守られなかったという失敗経験をさせることになり,何も身に付きません。結局できない様であれば,小さな課題を毎日少しずつ取り組むという方が身に付くものは多く,ルールを守るという経験を積ませることができます。めんどくさいという理由で手を付けない,課題を行わないという経験をさせてしまうと,めんどくさい気持ちが強くなっていきます。

  家庭学習に限らず、ゲームは1日30分、20時になったらお風呂、自分の食器は食後すぐに洗う、など、日常生活や自立に向けたスキルもルールとして決めて日々実行し、定着を目指します。これは家族のルールだからということでこどもに納得させ日々実行することで、その都度疑問を持つことはありません。大きくなってから「お風呂に入りなさい」と注意する必要も無くなります。こどもの自主性などは、やることをやった上で考えてあげると良いと思います。

  高校生や成人が取り組まないといけない課題に取り組まない,めんどくさがって何にも手をつけない,といった状況にも同じ手続きを取ります。まずは無理なくできる課題をルールとして決め,決めたルールを実行する,ということです。決めたルールを実行するという経験を積み重ねることで,やらないといけないことはやる,という習慣が付いてきます(めんどうくさがり等といった性格の問題と考えては解決しません:個人攻撃の罠)。



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