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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 成人の方への支援について 2 問題解決スキルを学ぶ
 

  
適切な知識の指導と並行して,適切な行動,特に問題解決スキルの指導が大切になります。『問題を解決する力を養う』ではこどもへの教育的支援として問題を解決するスキルをこどもの間から養うことが大切と解説しましたが,それは成人であっても同様です。

  問題行動を示す成人の方の相談を受けていると,
問題場面に直面した時の解決スキルが乏しいことが多いです。例えば,怒る,逃げる,といった問題解決スキルしかなければ,上手く問題場面に対処することができず,問題行動と受け取られてしまいます。

  適切な問題解決スキルが不十分であれば,例えば,作業が上手くいかなかったり,失敗した時,注意された時に,怒る,叩く,物を壊す,威嚇する,また,職場から帰ってしまって次の日も出社しない,などの対処になってしまいます。

  認知行動療法では問題解決療法というアプローチがあり,問題解決を上手く行うための1つに,
たくさんの解決策を生み出すことが大切とされています。そのため,成人の方への教育的支援としても,その方にとっての問題場面に対して沢山の解決策を一緒に考え,その方にとってのより効果的な解決策を選んで実行し,問題解決スキルの向上を目指します。

  例えば作業が上手くいかなかったら,職員に相談する,同僚に相談する,同僚の作業手順を見学させてもらう,一度最初からやり直す,短時間休憩をとる,少し身体を動かす,より簡単な作業に一時的に切り替える,など。瞬時に感情が高まってしまうようであれば,一時的に場所を変えてクールダウンしたり,物や人から離れるなどのスキルも必要かもしれません。

  どのような場面のどのような行動が問題であるのかを共有し,一緒にたくさん解決策を考え,その中から実行できそうなものを選び,実際に実行していきます。

  職場で同僚からお金を貸してと言われたとき,周囲の人にからかわれたとき,自分が思っているほど作業ができなかったとき,夜中に遊びに行こうと誘われたとき,電車が遅延して遅刻しそうなとき,買い物に行ってからまれたとき,などその方にとって問題になる場面であれば,一緒に解決策を考えていきます。架空の問題場面を提示し,解決策を生み出す練習も良いです。最初は支援者が中心に解決策を生み出していくことが多いですが,徐々にご自身で産み出していけるように進めていきます。

  知識と同様に問題解決スキルの向上にも時間がかかることがあり,途中で上手くいかずトラブルを起こしていまうこともあると思います。
それでもきっと行動は変わるので,支援者は根気強く,スモールステップで,心に余裕をもって指導を続けましょう。成人の方であっても,適切な知識や行動,問題解決スキルの向上を目指した教育的支援が有効であり,集団への適応や気持ちよく働いていく方向に変化していくことは可能だと考えます。
 

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