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 応用行動分析学勉強ノート

 
コラム 「泣く」ということについて

  問題行動を消去するということについて解説してきましたが,ここではこどもの「泣く」という行動について少し考えていきます。こどもが泣くことは普通のことです。しかし,かんしゃくと言われるような過度な泣き叫びや,気に入らないことがあったらすぐに大泣きするなど,日常生活や集団参加に支障を来す程泣くのであれば,それは問題行動と考えられます。

  「なぜ発達障害のある人たちに問題行動がみられやすいのか」にも解説した行動レパートリーと関係していますが,「泣く」という行動は赤ちゃんでもできる単純な行動であり,周囲の反応が得られやすいという点で,知的障害や発達障害のあるこどもに問題行動としてよく見られます。

  もちろん「泣く」ということは1つの感情表現,意思表現なので無視することはできません。こどもが伝えたいこと,つらいことなどがないかしっかり考えてあげる必要があります。課題や作業,活動を行う際に,できるだけこどもが嫌がったり泣いたしないようにお膳立てをしてあげ,気持ちよく前向きに取り組むことができるように配慮してあげる必要があります。

  1つ問題となることは,保護者や支援者がこどもが「泣く」ことに対して過度に反応し過ぎるという点です。「代表的な行動の機能と行動が形成されるメカニズム」でも解説しましたが,問題行動の形態は問題行動への対応を考えるときに大きな焦点とはなりません。何かしらの要求の意味を持った「泣く」という行動も自分が獲得している行動レパートリーの中から何か気持ちや要求を伝えるという重要な意味はありますが,その他の行動とそれほど区別して考える必要はありません。

  ポイントとなるのは,その行動が自他の心身の健康を脅かしたり,こどもの社会適応を阻害しているかどうかです。その点から改善する必要があれば,「泣く」という行動を標的として機能的アセスメントを行い,機能(目的)を予測して改善の計画を立てます。

  保護者や支援者はこどもが泣くと,周りの目を気にしたり,かわいそうに思ったりして過度に関わってしまい「泣く」という行動を強めてしまっていることがあります。例えば,抱きしめてあやしたり,要求を通してあげたり,叱ったりするなど。そうすると,何か気に入らないことがあったり要求が通らなかった時に,すぐに激しく泣くようになってしまうことがあり,集団への参加や日常生活に支障をきたす問題行動となってしまいます。

  少し冷たく聞こえるかもしれませんが,こどもが泣いてもそれほど気にせず,一歩引いてなぜ泣いているのかその機能(目的)を予測し,落ち着いて対応した方が良いです(心の中では心配していても表にはあまり出さない)。こどもが泣いても過度に反応せず淡々と対応して,要求を通さないことが大切です(消去)。こどもが泣いたらその場を離れてしまうというのも1つの方法です。

  繰り返しになりますが,ここで対象としている「泣く」という行動は,要求を通すために過度に泣くという行動であり,心配な点は,周りの対応によって「泣く」という行動を強めてしまい,問題行動としてしまうことです。

 (「泣く」ということについて2に続く)




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