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 個別療育の進め方

 療育場面の構造化を緩める:注意と衝動性に関連して
 

  療育を行う場合,勉強をする場所,遊ぶ場所を分けて,決まった場所で余分な刺激を制限して(関係ない物を置かないなど)行うことが勧められることがあります。このような場面の構造化を行うことは,課題に注意が向きやすくなるというメリットがあります。

  私は行動療育を行う際に,こどもの注意力や衝動性に合わせて,できるだけ構造化を緩めるようにしています。教室の性質上決まった場所で課題を行うので,どうしても療育場面が限定されてしまいますが,できれば複数の場所で療育ができれば良いと考えています。

  療育で用いる課題を隣に雑多に並べておいたり,療育をする机の上で休憩時間遊び,遊んだ玩具を隣に置いたまま療育を進めることも多々あります。また,外の人の動きが気になるこどもならわざと扉を開けて人の動きが見えるようにして療育を進めることもあります。

  注意が逸れやすかったり,衝動的に刺激に反応してしまうこどもは,それらの刺激に反応し,課題から注意が逸れてしまうことがあります。また,気になる刺激や遊びからの切り替えが上手くいかず,課題に取り組めなくて泣いてしまうこどももいます。

  しかし数回セッションを行っていると,そのように注意が逸れたり,切り替えが上手くいかないことは無くなります(必要な回数はこどもによって異なりますが)。ポイントは,できるだけ注意を逸らさせずに課題を進め,課題に取り組むことができたらしっかり褒めてあげることです。注意が逸れてしまっても課題に注意が戻ったら褒めてあげます。つまり,周りに気になる刺激があっても,課題に注意を向けて取り組む行動を強化するということです。そのような経験を積むことで,衝動的に周囲の刺激に反応することが減少します。また,小学校に入ると周りの児童など色々な刺激の中で学習しないといけないので,その練習にもなります。

  療育時間は限られているので,できるだけ多くのことを学習する機会を設けたいということもありますし,刺激を制限してしまうと,気になる刺激がある状況で課題に注意を向ける行動を強化する機会が少なくなってしまうと考えるからです(衝動性を抑える力も同様)。また,切り替えが苦手なこどもであれば,切り替えの機会を多く設け,切り替えのためのプロンプトを行い,上手く切り替えることができたら強化する機会を増やすことで,上手く切り替える力をつけてあげることができます。

  こどもの注意力や衝動性に合わせて,と書きましたが,こどもが頑張ったら注意が逸れるのを我慢できる程度に,構造化を緩めてあげると良いです。特に家庭学習では,日常生活と療育場面との切り替えが難しいため,療育は特定の場所で行うところから始めると切り替えて集中しやすいです。そこから徐々に部屋を変えたり,机を変えたり,音楽をつけたり,気になるものを近くに置いたりして療育を行うことで,必要なものに注意を向けたり,衝動性を抑えたり,気持ちを切り替えたりする力を養うことができると考えます。


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