こども行動療育教室 トップページ カウンセリングルームこども行動療育教室
〒541-0041大阪市中央区北浜3丁目5-19
淀屋橋ホワイトビル5F
TEL.06-6203-2410
はじめに 行動療育とは 講師派遣 スーパーバイズ 料金・アクセス
問い合わせ
スタッフ
    
勉強ノート
目次
    
 行動的支援勉強ノート 1

 適切な行動レパートリーを増やす


  
問題行動であっても適切な行動であっても,随伴性に基づいた行動の捉え方,行動が獲得され維持されるメカニズムは同じです。問題行動よりも社会的に適切な行動を行う方が簡単に要求が通る環境であれば,適切な行動が増加し維持されます。つまり,問題行動に代わる適切な行動を獲得し,無理なく行うことができて,適切な行動の方が要求が通りやすい環境が整えば問題行動をする必要は無くなってきます(代替行動分化強化)。本節では,適切な行動や普通の行動を増やすためのポイントを2つに分けて解説していきます。

  1つ目は,全く未獲得の行動を教える場合は段階的な指導を行う必要があります。例えば,自転車に乗るというスキルであれば,いきなり自転車にまたがらせ,「進みなさい」と言ってもこどもに恐怖心を抱かせてしまうだけです。一般的に,まずは補助輪の付いた自転車に乗り,慣れてきたら補助輪を片方はずして乗り,次に両方の補助輪をはずし,倒れないように支えてもらって進む練習を行うと思います。そして,1m,2mと徐々に距離を伸ばして,支えをはずして進む練習を行うでしょう。

  
新しいスキルや行動を教えるときは,最終的に獲得してほしい行動に向けて少し頑張れば獲得できる行動から段階的にスモールステップで指導していきます。できないことを練習することはこどもにとってはストレスがかかります。また途中で失敗すると(自転車の練習であれば転倒すると),やる気もなくなってしまいます。スモールステップで,できるだけ失敗せずに成功体験を多く積むことで,こどもは抵抗なく課題に取り組むことができ,最終的に複雑な行動を獲得することも可能となります(無誤学習:エラーレスラーニング)。

  2つ目は,すでに獲得している適切な行動をこどもがあまり自発的に行わない場合は,その行動が起こりやすいように環境を整えたり,十分な手助けを行います。こどもが適切な行動を行い,その行動で要求が通り,強化される機会を増やします。頻繁に適切な行動が強化されることによって,明確な強化子が無くてもその行動は行われるようになり,習慣化します。『プロンプトを用いた正しい行動を学習させる基本的な方法』参照。

  例えば,屋外を歩いているときに電柱やマンホールが気になって中々進めなかったり,逆走したり,急に走り出してしまう場合は,問題行動を無くすという視点よりも,正しく歩く行動を増やすという視点が大切です。
正しく歩く行動が増えれば,逆走するというような問題行動は減少します。

  まずは後ろから腰を押してあげたり,ズボンを掴むなどの強めのプロンプト(援助)を行い適切な速度で歩く経験を積み,一定距離歩くことができればしっかり褒めてあげます。目標の場所に到着できたら好きなものを買って一緒に食べても良いでしょう。そのような援助でスムーズに歩けるようになれば,次は援助を弱め,手をつないで歩いたり,こどもの後ろを歩いて逆走したり走りだしたりしそうな時に「歩きます」と言って軽く促してあげます。そして次の段階では,こどもは「歩きます」という口頭指示だけでスムーズに歩けるようになっているでしょう(「プロンプト・フェイディング」参照)。
 
  挨拶をするという行動を例に挙げると,すでに「おはよう」,「いただきます」と言う行動を獲得していれば,朝起きてこどもと会った時は必ず「おはよう」と言ってこどもに挨拶を返してもらいます。すぐに挨拶を返すことができなければ「おは」などとヒントを出してあげ,「おはよう」と返させます。次の段階では,こどもと会ったら10秒間こどもが「おはよう」と言うのを待ちます。その間にこどもが挨拶をすれば挨拶を返してしっかり褒めてあげ,こどもが言わなければこちらから挨拶をして挨拶を返させます。

  このように適切な行動が起こるように環境設定や働きかけを行い,適切な行動をスモールステップで経験して,徐々に手掛かりを弱めて自然な環境に近づけていくと適切な行動の自発につながっていきます。少しでもその時点の望ましい行動が見られたらしっかり反応し褒めてあげましょう。スモールステップでの取り組みは,大人側がこどもを褒めてあげられる機会を増やすというメリットもあります。

 <<前の頁へ     次の頁へ>>



行動的支援勉強ノート 目次

参考図書 おすすめ図書

みどりトータルヘルス研究所 こども行動療育教室

みどりトータルヘルス研究所 カウンセリングルーム



copyright©2013 みどりトータルヘルス研究所 all rights reserved.