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行動的支援勉強ノート
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行動科学を勉強しよう

基本となる考え方,
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行動レパートリーと活動レパートリーを増やす

活動レパートリーを増やす
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どのように活動レパートリーを増やしていくか

行動レパートリーと問題行動
の関係


物を落としたり
倒したりする行動


行動の理解と対応

行動の見方:三項随伴性

行動の原因を環境に求めることのメリット1

行動の原因を環境に求めることのメリット2

代表的な問題行動の機能と形成されるメカニズム

なぜ発達障害のある人に問題行動が見られやすいのか?

問題行動が強まるメカニズム

日常生活で問題行動を
強めないために


環境の変化と消去

問題行動が長期間維持される
メカニズム


こだわり,自己刺激行動への
対応について


こだわりと遊びの境目

適切な行動レパートリーを
増やす


教育的な視点を持った
問題行動への対応


教育的で前向きな支援

問題行動への対応を考える
ステップ


問題行動への対応の工夫

行動の理解と対応 まとめ

日々の関わりで大切なこと将来を見据えて大切なこと

指示の出し方,制止の仕方

家庭での療育活動のポイント

柔軟性,変化への耐性を養う

食事に関する行動

自身の行動もこどもの行動に影響を受けている

褒めてこどもを育てよう!


<参考図書,おすすめ図書>


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 行動的支援勉強ノート

 褒めてこどもを育てよう!


  『3章 行動と理解の対応』にて,問題行動が形成されるメカニズムと対応方法を解説しました。日々の支援で大切なことは,褒めてこどもを育てるということです。これは倫理的な話だけではなく,教育的にも大切なことです。発達障害のあるこどもは様々な困った行動を行うため,気がつくと1日の関わりのほとんどが注意や叱責ばかりだったということになりかねません。そうなるとご家庭の雰囲気が悪くなり,保護者もこどもも気が滅入ってしまいます。問題行動は目立つため,こどものことを考える保護者や支援者は,どうしても問題行動に目が行ってしまうことが多いです。

  しかし,怒ったり注意したりしても問題行動の減少につながることは少なく,こどもが自信を無くしたり,怒る人の前だけでは大人しくしたりといった,望ましくない結果につながることが多いです。周囲が注目する行動は増えていきやすいため,問題行動ばかりに注目していると問題行動が強まっていく可能性が高いです。

  多くの問題行動は,周囲の誤った対応によって維持され強められています。ということは,こどもが困った行動を示したからといってこどもを叱責するのはお門違いと言えるでしょう。行動の原因を環境に求めることのメリットでも解説したように行動の原因をこどもの内面に求めると腹が立つことが多くなります。目の前のこどもが困った行動を示した場合,まず第1に『声かけが分かり難かったかな?』,『何を伝えたいのかな?』,『自分たちの対応をどこか変えることができないかな?』と理由を考え,可能な所から対応を工夫していく方が建設的です。

  『褒めてこどもを育てよう』という理由とポイントを数点考えていきます。

①『できることを増やす』ことが第一目標。
  幼少期,学齢期は教育的支援により,
こどものできることを増やす行動レパートリーの拡大が第一目標です。問題行動を減少させることは,こどもの学習の機会を増やすことにつながるためだと考えましょう。問題行動が減少することで,集団行動が増えたり,作業に取り組めたり,電車に乗って移動するなどの社会的学習の機会が増えたり,ということです。
  そのため,注意や叱責によって問題行動に対処するよりも,こどもの良い行動やがんばり,成長に注目して拡げていくことの方が大切です。良い所をたくさん見つけて,しっかり認めてこどもに伝え,褒めてあげましょう。適切な行動のレパートリーが乏しいために問題行動を行っている場合は,適切な行動をスモールステップで教えてあげる必要があります。できることが増えてくると,今の問題行動は減少します。

②成功体験と失敗体験。
  発達障害のあるこどもは集団生活の中で失敗体験を経験することが多いです。周りのこどもの様に作業や活動ができなかったり,遊びに参加できなかったり。失敗体験を積み重ねると自信がなくなってしまい,二次障害につながる可能性があります。
こどもに自信をつけてもらうことも教育的支援の大切な目標です
  そのため,少々の問題行動があったとしても,こどもの良いところやこどもなりに頑張っているところを認めて伝えてあげ,成功体験を積み重ねて自信を養う必要があります。特に失敗体験が多くなるこどもに対しては,皆が意識して数多く認めて,褒めてあげるべきだと思います。

③褒めることも簡単ではない。
  保護者も専門家もこどもを褒めるということは簡単なことではありません。問題行動は非常に目立つため,強めない程度にさらっと対応することは難しいでしょう。こどもの些細な成長やこどもなりの頑張りを見出すことも容易ではありません。こどもの問題行動の後に大人も中々気持ちを切り替えられないこともあると思います。
  そのため,保護者も専門家もこどもを褒める練習をして
褒めるスキルを高めていきましょう。まずは,「これはこれ,それはそれ」といったように,問題行動があったとしても,それはそれとしてこどもの良い所や成長はしっかり認めて伝えていきます。「玩具投げちゃったのはお母さん悲しいけど,謝ることができたね」というように。また,悪いところは目につきますが,良いところは見逃してしまうことが多いです。常に,こどもなりのがんばりや変化,成長を見逃さないように保護者間や支援者と情報を共有したり,注目する練習をしていきます。その時,理想的な姿と比べたり,周りのこどもと比べてたりして『○○ができていない』という見方はこどものできないところが強調されるので,『少し前の状態から何ができるようになった』という見方をしていきます。
  保護者も支援者も人間なので,いらいらしたり,気持ちが切り替えにくいこともあると思います。その時はまず自分の状態を把握して,気持ちを落ち着ける手立てを取って下さい。可能であれば少しこどもから距離を取って,コーヒーを飲んだり,音楽を聴くなどしてクールダウンします。
  また,どうしても注意や叱責が増え,こどもとのポジティブな関わりが少なくなる傾向があれば,1日を振り返り,その日どのくらいこどもを褒めたか,ポジティブな関わりを行ったか,こどもの成長を見つけられたか,を数えてみて下さい(試しにどれくらいこどもを叱責したかも)。意外と少ない場合は,『1日に5回はこどもを褒める』など目標を決め,計画的にこどもとのポジティブな関わりを増やしていくことも1つの方法になります。こどもを褒めるスキル,良いところに注目するスキルを高めていきましょう。

④普通に過ごしている時に注目する。
  適切な行動を行った時,または,
普通に過ごしている時に注意を向けて話しかけたり,褒めてあげたりして積極的に関わっていきます。何か頑張ってやり遂げたりした場合に褒めてあげることは当然ですが,普通に過ごしている時,例えば,いつも通り落ち着いてご飯を食べている時,静かにテレビを見ている時,走らずに散歩している時などは当たり前だということで特に対応されないことが多いです。当たり前に普通に日常を過ごすということは非常に大切なことであり理想的な姿でもあります。こどもが普通に過ごしている時に意識して注意を向け関わってあげてください。大げさに褒めなくても「テレビ楽しいね」と言って隣に座って一緒に見たり,「○○してくれたらお母さん嬉しいわ」と気持ちを伝えたり,「ハサミ持ってきたの」とこどもの行動を言葉で伝えるだけでも良いです。
  『3-7.日常生活で問題行動を強めないために』と合わせて説明すると,
“問題行動を起こしても過度に関わらず,普通に過ごしている時に積極的に関わるということをこどもとの関わり方の基本に考えて下さい(他行動分化強化)。ABCの三項随伴性の枠組みで考えると,望ましい結果が得られる行動はその頻度が増えていくため,普通に過ごすことで保護者に関わってもらうことができ,褒めてもらえる機会が増えれば,落ち着いて日常を過ごせる時間が増えていきます。

⑤暴力的な言動を見せない。観察学習。
  保護者はこどもに,何か問題場面に出会った時に暴力的な言動で対処するようになってほしくないと考えられていると思います。怒ったり,威圧したり,暴力を振るったり,など。そのための1つの方法は,
暴力的な言動で問題を解決する場面を見せない,ことです。人は他者の行動を見て学習するので(観察学習),その様な場面を見ると同じような言動を学習してしまう可能性があります。
  こどもが問題行動を示す場面は,保護者や支援者にとっては問題場面と考えることができます。何とか良い方向に解決したいと考えると思います。その時に,暴力的な言動,注意叱責で解決しようとしてしまうと,その行動をこどもが学習してしまう可能性があります。問題行動にはできるだけ感情的にならないように対応し,時間が経過してこどもが落ち着いたら,こどもが分かりやすい形で,同じような状況でどのように考えたらよいか,行動したらよいかといった問題解決方法を一緒に考えてあげて下さい。

⑥すべてを受け入れるということではない。
  『4-2. 指示の出し方,静止の仕方』でも解説しましたが,誤った行動を修正するためには厳しい対応を取らないといけなことがあります。ここでいう厳しい対応とは,行動理論にもとづいた一貫した対応,きっちりした対応という意味で,感情的に叱責するという意味ではありません。良いことは良い,ダメなことはダメ,という線引きを明確にし対応を一貫します(ABCの三項随伴性を明確にし一貫するということ)。

  ポジティブな関わりが増えていくと,こどもも保護者も日々の生活を楽しく過ごすことができ,家庭の雰囲気も良くなり,日常のストレスを和らげることにつながります。



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