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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 園や学校での支援 2 適切な随伴性を経験する
 

  園や学校生活では,先生の全体への指示に従ったり,課題に取り組むといった行動が求められます。ここでは,発達の遅れの見られるこどもに対して,そのような行動を指導するポイントを解説します。『知的障害や発達障害があるから周りに合わせて動くことができない』と考えるのではなく,適切な支援を行い教えてあげることによって,できるようになることはたくさんあります。

  大切なことは,適切な行動をA-B-Cの行動随伴性を基本として繰り返し経験させるということです。

  園で先生が「みんな集まってー」と全体に指示を出す場面を例として考えていきます。この時,
『A:先生が「みんな集まってー」と指示を出す‐B:指示を聞かず遊びを続ける‐C:特に対応されない』という不適切な随伴性を経験させていると,どんどん先生の全体への指示に反応しないようになっていきます。このような学習の結果として不適切な行動が強められたとしても,『この子は障害があるから,全体への指示を聞くことができない』と考えられてしまうことがあります。

  単純に思われるかもしれませんが,
『A:先生が「みんな集まってー」と指示を出す‐B:集まる‐C:褒められる』といった適切な随伴性を繰り返し経験させることで,先生の全体への指示に注意を向け従う行動が増えていきます。

  そのために,指示に従うための十分な援助(プロンプト)を行い,実際に指示に従って行動させ,その行動を十分に強化することが大切です。

  まず,先行条件(A)を明確にします。例えば,ラッパを吹いたりタンバリンを叩いたり,こどもの名前を呼んで,注意を先生に向かせてから指示を出します。加配の先生がいるなら,その時に「○○先生見て」と声を掛けたり,こどもの肩を叩いて先生に注意を向かせます。そして,大きな声で端的に明確な指示を出し,こどもに正しい行動(指示に従って集合する)を起こさせるように支援を行います(刺激プロンプト)。

  そして,「みんな集まってー」という指示なら,周りのしっかりした園児に手を引いてもらったり,加配の先生が背中を押してあげたりして,先生の所に向かわせます(身体プロンプト)。

  こどもの適切な行動を強化するため結果(C)も明確にする必要があります。こどもが集合することができたら,「○○君速い!」などといって大げさに誉めてあげます。。対象のこどもや周りのこどもに観察学習させるため,一番に集合できたこどもを代表して褒めてあげ,その様子を周りのこどもに見せることも有効です。強く明確な強化子から徐々に自然な強化子(目線を合わせるなど)に弱めてあげると良いです

  このような十分なプロンプトを用いて適切な行動を行うことができるように支援し,適切な行動を繰り返し強化します。そして徐々に,プロンプトと強化子を弱めていき,自然な声かけなどで動けるように計画します。

  例えば,『あつまれゲーム』などのゲーム形式で適切な随伴性を経験させる機会を増やすことも有効です。先生が色々な場所に移動し,笛を吹いて「集まれ―」と指示を出すと,できるだけ早く先生の所に集まるというゲームを全体で行います。楽しみながら適切な随伴性を経験し,先生の全体への指示に従うという行動を強化する機会を増やすことができます。集まるまでの時間を計ってチームで競わせたり,早く集合できた園児を褒めてあげると,こどもは楽しく取り組みます。発達の遅れがあり指示に従いにくい園児を促したり,手を引いてあげるこどもがいれば積極的に褒めてあげることで,手助けする園児も増えて来るでしょう。そのような経験を積むと,ゲームではない場面でも先生の全体への指示に反応しやすくなってきます。

  その他の,課題に従事する行動や他の児童と遊ぶ行動も同様に考えることができます。十分なプロンプトと強化子を用いて,実際に行動できるように支援し,適切な随伴性を十分に経験させることが大切です。そうすると先生の指示に従ったり,学習に取り組む行動が増えていきます。



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