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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 二次障害 1


  軽度知的障害や広汎性発達障害のあるこどもの2つ目の大きな課題は、二次障害と呼ばれるものです。不登校や非行,抑うつなどの精神疾患などがこれにあたります。周囲の理解不足による自尊心や自己評価の低下、先に解説したいじめの問題が原因の多くをしめます。ここでは自尊心の低下について解説していきます。

  知的障害や発達障害があると状況を理解する力や友達と上手く関わる力が弱く、授業中の問題行動や友達とのトラブルを起こしてしまうことがあります。その際に教育的な支援が受けられず、叱責を受けるばかりになってしまうと、こどもはどんどん自信を無くし、学校を嫌いになっていくでしょう( 『叱責することのデメリット』参照)。叱責が続き学校や先生に嫌悪感を強く抱くことは、不登校につながる大きな要因となるでしょう。

  また、叱責されることが多く、自分のことが認めてもらえない環境であれば、自分を認めてもらえる環境にこどもは進んで行きます。例えば、友達を叩き負かして自分の力が周囲に認められると暴力行動は増えていき、そのような経験をすると、暴力行動が認められやすい環境、つまり非行に進んで行きます。反社会的な行動が認められ、暴力で要求を通すような非行に進むことが、自分が認められ、自尊心や自己評価を高める最適な方法となってしまいます(他者に認められるという結果(C)は強化的な結果として働きやすいです。一度、非行行動が強化されるABCの行動随伴性の枠組みを考えてみてください)。

  そのような二次障害を防ぐためには、こどもの自尊心を低めないような、自身の価値が認められるようなかかわりをしていかなければいけません。まず保護者や教師、こどもとかかわる人たちが、こどものことを認めてあげ、しっかりと口に出して伝えてあげる必要があります。『4-7 褒めて子どもを育てよう!』でも解説しましたが、やはり悪い点は良く目につきます。悪いことは悪いとこどもに伝える必要がありますが、その際、行動に焦点を当てて注意し、こどもの性格などを否定しないようにする必要があります。例えば友達を叩いた場合、叩いたことは注意し、どのようにしないといけなかったかを教えてあげる必要がありますが、「だから○○は悪いんだ」とか「そんな性格では友達ができないぞ」など、こども自身や性格を否定してはいけません。

  また、注意する点は良く目につき、自然と注意や叱責が増えて行ってしまうので、注意する以上にこどもを褒めてあげ認めてあげる必要があります。そのためには、周囲の大人がこどもの良い所に注意を向け、褒めてあげる練習が必要な場合があります。こどもが普通にふるまい、周りと同じような行動をとっている時に積極的に声をかけてあげてください。

  褒めてあげる機会を積極的に設けていくと良いです。例えば学校でも家庭でも、何かこどもの役割を決めて(プリントを配る、食器を出すなど)、それができたら褒めてあげるようにすると、褒めてあげる機会が増えていきます。どのような行動をしたらどのような結果が得られるか、例えば、○○したら先生に褒めてもらえる、××を1週間がんばったらアスレチックに遊びに行く、などのルールを紙に書くなどして明確に伝え、こどもが確認できるところに張り出しておき、ルールを守ったらポジティブな結果が得られるという経験を多くさせてあげて下さい。そのようにいわゆる問題行動や非行行動以外の普通の行動でこどもが認められ、褒められる機会を積極的に作っていくことが、二次障害を防ぐ1つの方法となります。

  障害の有無に関わらず、どのこどもも周りに認めてもらいたいし、みんなと上手くかかわっていきたいです。そのため、問題行動や非行行動を示したり、そのような環境に行かなくても、保護者や教師、周りのこどもたちから認めてもらえるような環境づくりが大切になります。



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