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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 コラム  ストレスだけを問題行動の原因と考えない


 
園や学校で問題行動が見られたとき,「ストレスが溜まっているのでゆっくり休ませましょう,無理はさせてはいけません」とアドバイスを受けることがあります。学校に行きたくないという悩みに対しても同じことがあるのではないでしょうか。園や学校,発達支援,病院などで様々な専門家から言われることがあります。このアドバイスを受けて習い事を全て辞めたという方もおられます。

 もちろんストレスがトラブルの1つの要因であることは考えられますが,ストレスだけが原因とは限りません。様々な
環境要因(対人関係,課題や活動の量や難易度,騒音や花粉など)と個人要因(ストレス,体調,機嫌,行動レパートリー,認知スキルなど)が行動には影響を与えます。様々な要因を整理し,トラブルの解消やこどもの成長に向けた支援を行っていきます。

 ストレスが1つの要因だと考えられる場合は,活動を一部制限する取り組みも時には必要です。家ではゆっくりする,学校は3時間目から参加する,遊びや散歩の時間を増やす,支援級で過ごす時間を増やす,疲れた時やテンションが上がった時に休める場所を用意する,など。疲れていたり,刺激や活動がこどもにとって負担が多すぎたりすると調整が必要でしょう。

 しかし,刺激や活動を制限するデメリットを忘れてはいけません。発達支援ではできることを増やすことが大切になります。行動レパートリーや認知スキルは主に経験を通して成長します。こどもが成長できる環境を提供することが,発達支援の基本です。(「園や学校での支援 3 支援の方向性」も参照)

 トラブルの原因がストレスであり,ストレスを与えないために習い事や学校を全てお休みにするという対策は,こどもの学習の機会,成功体験や強化を受ける機会を奪うことになる可能性があります。できることが増えれば減少する問題行動は多いです。トラブルの要因として,行動レパートリーの乏しさや認知スキルの弱さがあれば,経験を通してそれらが成長することで,トラブルは減少するでしょう。

 社会的学習の機会である集団活動や授業参加は,誰でもある程度ストレスがかかります。我慢したり,失敗したり,周りに合わせたり,注意を持続したりすることは疲れやストレスを感じますが,楽しさややりがいや達成感を感じられることも多く,成長につながる良い経験になります。こどもの状態に合わせて課題や活動を調整することは大切ですが,必要以上に刺激や活動を制限しないように注意しましょう。

 専門家が「ゆっくり休みましょう」ということは簡単です。しかし,こどもの成長にプラスになるかどうかを良く考えましょう。こどもが頑張れる程度を見極め
(注1),できることを増やす(行動レパートリーの拡大,認知スキルの向上)ことに有効と思われる活動や支援をアドバイスしましょう。

(注1)こどものことだけを考えると,問題行動やトラブルが見られても十分な支援を行い,多くの学習の機会を提供してあげたいところですが,現実的には難しいことがあります。園や学校は人員や周囲の子どもたちへの影響を考えなければならず,保護者もそれぞれ考え方が異なります。こども,保護者,園や学校で折り合いをつけて,皆が疲れすぎないように取り組んでいきましょう。


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